隣のおっさんがくさい

世に対して不平不満を言いつつも何とか楽しもうと試みる弱者のブログです。

オ○ニーマスター黒沢

 

みなさんこんにちは、カオナシです。

 

今回は、kindle読み放題で『オ○ニーマスター黒沢』を読んだので、その感想をここに残したいと思います。

あらすじとしては、校舎の3階の女子トイレで、クラスメートを想像しながらオ○ニーにふける男子中学生:黒沢が、ふとしたきっかけから、いじめられっ子である同じクラスの北原という女子生徒に秘密を握られてしまい、半ば脅しのような形で、いじめっ子達に復讐する手伝いをさせられると言うもの。

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シンプルに面白い!

絵はそこまでうまいわけでもないし、4巻完結で短い作品ではありますが、主人公であるオ○ニーマスター黒沢が恋に芽生えて失恋する件や、人との関わりの中で成長していく様は、どこか高校時代の自分を重ねているようでとても、胸にくるものがありました。

 

 

でも、納得できない所もあったのでそれについてもここに書きたいと思います。

まずは、ブロッコリー頭の長岡。

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主人公にも常に絡んできて、だれにも分け隔てなく接し差別しない男。そんな男が、同じクラスで虐められている北原のいじめを黙認しているのは意味がわからない。というか、そんなことは現実には起こり得るはずがない。

これに関しては長岡の恋人であり、主人公の失恋相手でもある滝川に関しても同じことが言える。

虐め自体止めることは難しいから、言い出せなかった等の言い訳もあるかもしれないが、そうであるならば、主人公の罪の告白の後の2人の行動には一貫性がない。

 

そもそも、いじめの恐ろしさと言うのは止めたくても止められない雰囲気にあるとも思うし、そんな中で表立って一緒に机を探してくれる長岡はどこかリアリティにかける。この状況が成立するのであれば、北原のイジメをフォローすることも出来ただろうし、ただ何もしないのは逆に不自然に思える。

 

 

二つ目は、主人公が途中からオ○ニーを辞めたものの、今度は言葉でオ○ニーをし始めるようになってしまったことである。周りの助けもあり、立ち直った黒沢と、その一方でいじめの末に引きこもりになってしまった北原。そんな北原が学校へ来なくなった決定打となったいじめの現場でも、主人公を含め周りは何もできなかったし、その後の同窓会の件も、黒沢のただの自己満足にしか思えないような発言の数々で、イジメを取り扱う作品として、いじめられている人にとっては救いのない話になってしまっていた。最後なんて、元々北原を虐めていた女子生徒:須川と、主人公がなんだかんだ良い感じになっている。須川はいじめたことを反省しているという描写もあったものの、謝れば全部チャラになるのだろうか?いじめられていた時の北原の気持ちはどうなるのだろうと考えると、とてもいたたまれない気持ちになる。

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はっきり言って、最後の方のコマで北原が再び学校へ登校するようになった理由がいまでも分からない。彼女は何を思って、再び学校へ行こうと思えたのか。というか、世界や人がこんなに単純だったら、いじめなんてすぐに無くなるんだろうなとも思える結末になってしまっていた。あとは、シンプルに主人公の罪を話のネタにした所とかは綺麗事だと思ったし、時間が経てば虐めていたことがチャラになるなんてこともない。それを無視した話の流れはどうしても納得できない。

 

てなわけで、自分的には良い所もあり、悪い所もありってな作品でした。やっぱ、イジメを取り扱う作品って丸く収めようとすると綺麗事になりがちですね。いっそのことミスミソウみたいに、恨みの果てに殺戮しまくってくれてる方がまだ人間としてはリアリティがあるような気がします笑

 

そのような終盤の矛盾を除けば、作品自体はかなり楽しめたので、もし興味がある方はぜひ読んでみてください。

 

それでは、また(^-^)