みなさん、こんにちは
カオナシです。
今回は阿部寛さん主演の「歩いても 歩いても」を見たのでそれについて書きたいと思います。
正直記事にしようか迷いました。
自分にはうまくこの映画の良さを伝えられないんじゃないか、そう感じたからです。
そもそも、この映画はあらすじ一つとっても至って普通です。
世に出回る感動映画のようにお涙頂戴を狙って誇張もしていません。
しかし、それが普通であればあるほど心に刺さる。
共感できてしまうし、自分の事を省みてしまう。
そして今作には人間のいい部分だけでなく悪い部分もごくごく自然に鏤められています。
私の語彙力が乏しいばっかりに悪い部分という表現しかできないのがなんとも残念ですが、人間の本質とでもいえばいいでしょうか。人間奇麗事ばかりでは語れないという事が如実に示されています。
そんな普通な日常を飽きることもなく見れた理由の一つとしては、俳優さん方の演技の自然さがまず挙げられます。私自身、出てくる登場人物に尽く感情移入してしまいました。
(親からすれば我が子はいくつになっても子どものまま)
今は亡き原田芳雄、樹木希林さんの演技が輝く一作でもあるでしょう。
「万引き家族」でも感じていたんですが、樹木希林さんの演技って鬼気迫る*1(樹木だけに)といいますか、心に刺さるものがあります。そしてそれと同時に是枝裕和監督のファンにもなってしまった自分がいました。
なんとなく思い出した「万引き家族」でしたが、まさか監督が同じとは思いもしませんでした。ほんと調べてビックリ。
元を辿ればそもそも、そこそこ古い作品である「歩いても 歩いても」自体もなんで見たくなったのか不思議なんです。
いい作品というのは自然と引き付けられるということなんでしょうかね。
あと、この方「海街diary」の監督さんだったんですね。「海街diary」は友人がほんと普通だった。と面白くなさそうに言っていたので見る気はなかったんですが、とても見たくなってきました。
話を戻しますが「歩いても 歩いても」の個人的に心が揺れたシーンを少しばかり挙げてみたいと思います。
- 連れ子が主人公をお父さんとは呼んでいないところ
- 主人公の語り掛けに「普通」と答える妻の連れ子
- 主人公がたびたび亡くなった兄と比較されること
- 子持ち未亡人と結婚した主人公を気にする母
- 風呂場に手すりがあったり、歳をとり隣人の力になれなくなった父
- 嫌味に取れることを故意に言う母と無意識な父
- おばあちゃんちという言い方や写真の隅っこが気に入らない父
- 誰かのお墓に花さして帰るとこ
- 重くなった場を和ませようとする姉の夫
- つらい思いをさせるために命日によしおくんを呼ぶ母
- 箸を奇麗にしようとしてめっちゃ舐める父
- 息子のパジャマだけ用意する母
- おへそからジワジワ
- 階段の途中で父の足を気遣い携帯を見るふりをして足を止める主人公
- お墓参りで母と同じことを言い、妻と子供に同じ話をする主人公
一つずつ説明したい所なんですが、ぜひ皆さんにも見て感じて欲しいのであんまり言いたくもないこの気持ち。とりあえず、見てほしい。
とにかく、見てほしい
おへそからジワジワくるから!
ほんとに、見てほしい
普通普通と言ってきましたが、あえて普通だからこそそこにあるメッセージを受け取ることが出来るのかもしれません。(BGMやひぐらしの鳴き声も全てすばらしかったです。あと夏川結衣さんは相変わらず奇麗すぎ)
夏は青春真っただ中な爽快な映画を楽しむのもいいですが、しんみりこの作品でノスタルジーに包まれるのもまた一興と思わせてくれる作品でした。
今回はそんなところで
それでは、また(^^)/
*1:ふざけました、すいません